どんな題材をとってもクールな感動は見出せる。ルポタージュの手法をうまく昇華出来ている著者には、エッセイはお手のものといった感じだ。<BR>この人の本全体にいえることだが、簡潔で格好いい文章が読みたいが、村上春樹があまり好きではない人におすすめだと思う。
この本を読むと、純粋に「上手いなぁ~」と思う。「チェーン・スモーキング」そのままに次から次へと話が広がっていくため、読み手を全く飽きさせる事がない。 上手さとともに素晴らしいのは筆者の優れた感性だ。子供の頃に感じた、心に染み入ってくるような何ともいえない感情、様々な世代や世界に住む人々の微妙な心の動き等を見事に描き上げている。もちろん心理描写のみならずユーモアもありで、まったく短編小説のような優れたエッセイ集だ。 エッセイとはあまり関係の無い話ですが、優しいタッチで描かれた挿絵も、文章とともに私の心を和めてくれる。トータルで満点の本です。
今まで読んできた他著者によるエッセイとは、一味も二味も違うエッセイ集。作者の独特の文体にぐいぐい引き込まれつつ短編小説のような現実の話を堪能した。笑ったり、考えさせられたり話の種類は様々だが、次から次へと続く話にすっかり夢中になった。彼のエッセイをもっと読みたい。