この本は2002年に週刊誌に連載した文章を7つのジャンルにわけ、時系列に掲載したものです。その後の経過を知っている現在の私にとって、3年前にこれだけのことを書き残していた著者の事実の捉え方、検証、論理は相変わらず素晴らしいものだと感心する次第です。<BR>本書の中で特に面白いと感じたのは、道路公団民営化に関する記事です。当初は民営化委員会の人選に期待し、やがてそれが崩れていき失望する過程が、政治家や官僚、諮問委員会の問題点を浮き彫りにしているところでしょう。<BR>いずれにしてもその後の経過を知った上での著者の視点は、普段仕事場で何らかの判断をするためにどのような情報を集めるべきかを考える教科書にもなると思います。特に私の会社では「情緒的な判断」をする人が多くなってきたと感じているので。
2002年に週刊新潮で連載された記事を「日朝交渉」「道路公団民営化」「情報三法」などの7つのテーマ別にまとめた本。<BR> 櫻井よしこらしい、あいかわらずのタカ派的な視点で、歯切れよく論旨展開しており、著者の考え方に賛同できる人であれば興味深く読めるだろう。個人的には、この本に書かれていることは正論であると思う。<BR> また、記事の時点は2002年とやや過去の話になってしまっているが、著者の主張は現在でもあてはまるものであり、道路公団民営化などは過去を振り返る意味でも興味深く読めた。