図書館でふと手にして読み始めたら、すぐに引き込まれてしまいました。著者に関しては、アラスカに詳しい写真家さん、というくらいの認識しかなかったのですが、その卓越した文章力に唖然!「本当に写真家の人が書いたの?作家じゃなくて?」という感じでした。<P> アメリカの経済社会に組み込まれ変貌しつつあるアラスカを愛し、そこで生きていく人々の心の機微がとても丁寧に描かれていて、繊細なのに圧倒される、とてもパワフルな本です。アラスカの自然の描写も美しく、写真も多く載っていて興味深く読みすすめられます。<P> アメリカ政府による核実験の実験地にされかかったアラスカの町を、その危険性に気付いた人々が救っていくというエピソードは、事実なだけに胸を打つものがあります。 なぜか読んでるあいだずっと胸に熱いものがこみ上げてくるので、少しずつ読み進めました。ぜひ大勢の人に読んでもらいたいです。装丁が黒いのは、きっと喪に服する意味なのでしょうね。亡くなられたのが残念です。
星野さんの文章には力があります。<BR>それは読むものに対して強制してくるようなものではなく<BR>気づいたときに星野さんの世界観にどっぷり浸かってるようです。<P>ポッと心に灯がともる感じがします。<BR>それもアラスカの静寂の中に灯る光のようです。
アラスカという北の大地に根を張りながら、 毅然と生きている人々の姿が生き生きと描かれ いて、あたかもそれらの人々が自分の親しい人の 様に感じられます。<P>この本は丁度自分自身が病に倒れて入院している 時に出会あい、自分に生きることの素晴らしさと いうものを思い起こさせてくれ、勇気付けてくれた 大切な本です。<P>星野さんの新しい作品にもう触れることは出来ま せんが、残された本から彼の考えや経験と言った ものにふれることの出来ることはとても幸せなこと と思っています。<P>とにかく、読後アラスカに行ってみたい衝動に駆ら れることを請け負います。