薄っぺらいが、文字数は普通の文庫本よりも多い。<BR>手書きの文字でつめつめに書かれている。<BR>俯瞰図や精密なイラストもすごい。<BR>この薄っぺらい本から、作者の日本、そして宇宙が見えてくるといったら大袈裟だろうか。端的だが、現在に続く社会問題、皇居でにらまれた話。好奇心過剰の作者のエピソードはとにかく面白い。
『インド』『ヨーロッパ』と並ぶ「河童が覗いた」シリーズ。<BR>わが国ニッポンが題材だけに、知らなかったことが満載。<BR>主なトピックスは、まず北海道開拓における網走の囚人たちの労働。知られざる刑務所の内部。圧巻は、自らも虫眼鏡を覗きながら書いたという皇居の俯瞰図!!と、一般参賀の内幕。<P>河童さんならではの好奇心いっぱいの視点(いつもの通り文章も手書き文字!)と、精緻なイラスト。見て楽しめて、読み返して考える1冊。
妹尾河童さんの「河童が覗いた」シリーズはどれも画を見ているだけでも十分に楽しいです。どの画もとても精密で詳細に描かれています。この「河童が覗いたニッポン」では、刑務所の中や独房についても掲載されており、普段、見えない場所、その中での様々な仕掛け等がとりあげられており、どれも興味深く読むことができます。また、単に見たままの画だけでなく、それについての筆者の意見も書き添えられている点もよいかと思います。