笑いを堪えるのに必死。<BR>電車の中で読んじゃいけない本ですね。<BR>著者独特の文章のリズムは、能のリズムなのでしょうか。<BR>能も歌舞伎も未知の世界ですが、ちょっとのぞいてみたくなりました。<P>この本は足掛け4年の連載を1冊にまとめたもので、30の章に分かれています。1章につき平均1.166…枚の写真が付いています。これはきっと多いほうなのでしょう。それでもやはり、時代の匂いを感じたい身にとっては、こんな写真があったらいいのに、というページが少なくありませんでした。今後、平成生まれの読者など出てくるはずです。東京大空襲、アウシュヴィッツなど、ぴんとこないものもあるでしょう。あくまで「自伝」なのだから本人と関連のない写真は必要ないという考え方もありますが、今後さらに版を重ねてゆくのであればたとえば重要語句に関する図版や注などを利用することも考えてほしいと思いました。
文体と、著者の感性がとても魅力的。文体は細やかで丁寧な反面、著者自身は破天荒な性格だったようでそのギャップが小気味な印象を受けた。<BR>また、うんちくどうこうよりも、自分の経験などを基にした独自の視点でものを見る大切さも感じた。ただ「美しい」だけではものの価値を判断したことにはならない、そのもののどういう背景・どういう色が自分の何にとってどう感じられたか。そういった点をきちんと意識して、うんちくにだまされず価値を判断しなくては、と気付かされた一冊です。
時代のこととか、上流階級のこととか、交流関係とか、あまりにも自分の現実と離れてる、でもそんなことはどうでもよいんです。文調っていうか、口調っていうか、それがすごく良い。読むBGMってとこですかね。役に立つとか、感動するとかでなく、アクション映画とかを観る感覚で、気分転換に読むのに良い本でした。