いやー、本田宗一郎さんてすばらしい方です。何度も読み返しています。<P> 本書は、言葉一つ一つに彼の人生哲学が詰まっています。<BR>彼が、世界中でなんで今でもこれだけの人間に愛されているのか分かったような気がします。私のような今に満足しきっていて、心に若さを失いつつある人間にとってこの本はかなり刺激的でした。<BR>読んでいても、飽きずに次へ次へとページをめくるのが楽しくなる、自分がページをめくるごとに脱皮して、成長していく気がした一冊です。
本書は、本田技研を裸一貫から作り上げた本田宗一郎のエッセー集であるが、社会は理屈じゃ語れないと嘯いている我々を、するどい観察・分析力に基づく正論で斬っていく様は、とても爽快である。<P> そして、その端々で触れている消費者を中心にした製品開発、政治力にものをいわせるのでなく消費者をひきつける技術開発、若い社員にいかに夢を持たせるか、技能ではなくアイデア、などの思想は、今でも大いに参考になる。<BR>
起業したいという思いからホンダの創立者、本田宗一郎の本を買った。世界の経営者として知られる彼が社会貢献をしていったその背景にある哲学の一部を知ることができた。「自分のために働け」「エンジョイするために働け」というのが当時としては革新的に響いたのだと想像する。これは現在ではよく聞かれることだが、現在言われているこの言葉の裏には「なぜ、そう言われるようになったのか?」が欠けていると感じた。戦争で日本には「滅私奉公」という考えが広まった。その経験を踏まえて「自分のために働け」「自分の生活をエンジョイするために働きに来い」と言う思想ができたのだろう。一概には言えないが、現代の日本の風潮はこの言葉を表面的にのみ受け取り、それを歪曲して理解しているのではないだろうか。