翻訳で読んでいるのではっきりとは分からないのだが、言葉の選び方、語り口、話の運びにすごく気を遣っているのが分かる。一般的には親子の関係と言うのがこれほど慎重に扱われるとは思えないので、まずここからして次元の違う話だなと思えた。(たしかに本書も手紙がベースであり、さすがに会話では諭しにくいのであろう) 悪く言うと、大の男を20年もの歳月をかけて非常に丁寧に誘導・教育しているのである。創業社長一家の帝王学というのはこういうものなのだろうか?<BR> 本書を一般的な会社の教育テキストとして啓蒙や経営指南に使うことは多いだろうが、内容はビジネスの基本マナー以前の躾から始まって、経営者の視点や判断についてと成長に合わせた内容になっており、状況に合わせて読み返すことで、その都度得るところがありそうである。<BR> 個人的には学校の成績が下がったことで父親からお手紙が来るようではやりきれないが、年を取るとそのありがたさは感じられる。そういう意味で、本書の語り口は非常に周到なのだ。
ビジネスマンとして成功した著者の、その人生における教訓をただ上から押し付けようとしただけでなく、息子への愛情がひしひしと伝わってくる本です。売上の事など眼中にない真心のこもった手紙で、とてもためになると同時に感動しました。
本当に手紙なのかと疑ってしまうほどの内容にはビックリ。<BR>中身はビジネス書として通用するが、語り口は息子への思いがこもっている。<BR>本当は自分の両親も何も言わないけど、こう思っているのかもしれないなぁ。