村上春樹本人が一つ目の短編の出だしで登場し、語っているので どこからが本当でとこからがフィクションなのか分からず、すべての話が本当なのかもと思って読みすすめられる面白さがありました。<P>レキシントンの幽霊の時のように 外国が出てくる話もあるのですが、今回ほど国内の身近なところで おこりそうな、それに身近なところにいそうな登場人物ばかりを感じた作品は初めてでした(私には)。 自分でなければ、親戚・恩師・友人にいそうな登場人物ばかりでおどろきました。 本の装飾のようにとても日本(和)を感じて、しかも今の日本を感じました。
前作の「アフターダーク」から一年くらい経って出たこの本ですが、<BR>前作が自分としては余りにもがっかりした内容だったので今回も<BR>騙されるのかなぁと思いながら買ってみました。<P>感想としては、短編集なのでとても読みやすいものでして、どれも<BR>軽快といいますか、あまり一つ一つの話が深く入らずに終わっている<BR>感じはしますが、それでも好きだった頃の村上春樹ワールドに少し<BR>戻ってくれたような感じがとても好きでした。<P>どうしても短編集なので中途半端に終わってしまった話もありますが<BR>あっ、またあの独特の世界観だなぁという喜びを持ちながら読むことが<BR>出来たのは久しぶりに嬉しかったです。
村上ワールドが詰まった「折り目正しい短編集」を久しぶりに読むことができて、とても懐かしく、嬉しい気持ちになりました。さまざまな年齢、性別、立場の登場人物が出会う奇妙だけど、リアルな出来事が淡々と「折り目正しく」描かれています。村上春樹らしい小説の面白さを堪能できます。これをもとに長編作品が生まれたら・・・という期待感を抱かせる短編集です。