大陸で行われた極秘の細菌戦研究の恐るべき実態のレポートだ。<BR>アヘンに侵され、人の生命が毛ほどに軽かったであろう中国大陸で<BR>あれば、犯罪者も含め人体実験の被験者を調達するのは左程むづ<BR>かしいことではなかったであろう。どのようにそれが調達された<BR>かまで話は及んでいないが、被験者調達に協力した人間こそ責め<BR>られるべきではないのか。<BR> 戦争遂行に協力するのは国民の義務とも言えるが、人を道具に<BR>して自らの利益を図るのはいつの世でも大義はないからだ。<BR> ましてや、自分の手は汚さずにその研究結果を手に入れようと<BR>した米ソ両国にいたっては偽善のきわみと言うべきだろう。<BR> この本が、石井四郎やその部下を糾弾するような、徒に情緒に<BR>流されていないのは、そういう点では救いだった。<BR> 現代でも新薬の研究には、言い方は違っても人体実験はつきものだ。<BR> ましてや、戦争のさなか、結果が急がれる研究においておや、という<BR>と、「おまえは弁護するのか」と批判されてしまうのだろうけれど、<BR>現代の飽食の時代に生きて何不自由なく暮らしている我々に、戦争と<BR>いう異常な時代に懸命に生きた人を裁くようなことは慎みたい、と<BR>わたしは思うのだ。<P>
細菌戦部隊(第731部隊)創設者・石井四郎軍医中将の指揮の下で当時、働かされていた少年隊や軍医たちの生活を日々を通して克明に綴って行きます。『ここで行なって来た行為の数々は絶対に他言するな!!墓場まで持って行け!!もし他言した事が判れば必ず見つけ出して抹殺してやる!!覚えておけ!!!』石井四郎からの最終警告。終戦後、マッカ-サ-司令長官により『天皇と731部隊隊員たち全員は裁かない!!命は保障してやる!!』約束は厳守された。どう言う経路で厳守されたのか!満州国から祖国(日本)へ帰還した隊員たちは当時、世間が不況だった為に過酷な日常生活を強いられる。そして石井四郎元軍医中将に対して元隊員等の恐喝やマスコミにも匿名で部隊で行なわれて来た残虐行為の数々を文書にして投稿する隊員もいた。その隊員たちの裏切り行為に対しての石井四郎の苦悩も窺える。そして晩年の石井四郎は・・・。必読本です。きっとあなたのハ-トが揺れ動く事でしょう。
反日中国を庇護するように過去の話を持ち出すこの手の本が、そろそろ出る頃だと思っていました。731部隊については、昔から書かれていたことなので全部知っていましたが、わざわざ今、出すところがあざといですね。なにかで731部隊について書かれたものを読んだことがある人には、新情報は無いと思います。自虐したい人には『レイプ オブ 南京』と併せてお薦めです。