野口先生の著作はほとんど読んでおり、今回も書店で見つけて<BR>内容も確認せず、購入しました。読後、非常に示唆に富んだ内容<BR>になっており、勉強になりました。最近の読書は、特定の著者の<BR>本を集中して読んでいます。野口先生のブランド買いと言ったと<BR>ころでしょうか。<P>◆感銘を受けたところ<P> 1949年のカリフォルニアのゴールドラッシュで、財産をなした<BR>のは「黄金」を見つけた人間ではなかった、スコップやジーンズ<BR>など「黄金」を求めてやってくる人に必要なものを供給した人間<BR>だった。<P> また、「黄金」を求めてやってくる人のために「鉄道」を敷設<BR>した人間が億万長者になった。しかし、それは鉄道「運賃」で財<BR>を成したのではなく、その建設過程での工事、株式で財を成した<BR>のである。<P> 現在の社会でも、ITのアプリケーションで大金持ちになった<BR>人間は少ない。OSのマイクロソフト、ルーターのシスコシステ<BR>ムズ、検索サービスのYahoo、グーグルなどもそうである。<P> 「大金持ち」に通じる最短距離を歩もうとすると、競合も多<BR>く、利益もすくない。そこで一歩引いて、その人たちに必要な<BR>サービスや製品を供給する手段がないか考えることが重要だ。<BR>近視眼になるのではなく、複眼的な思考が必要。
米国ゴールドラッシュの詳細な歴史と、スタンフォード<BR>大学の設立とその後から、シリコンバレーの勃興までを<BR>物語として描き、おもしろくて一気に読んでしまいました。<P>シリコンバレーのITバブルや成功物語は、今となっては、<BR>若干なつかしい話もありますが、結局は、今後の日本経済<BR>の行く末を憂えた、警鐘の書でもあります。<P>著者のストーリーテリングがうまく、熱中して最後まで読める、<BR>壮大な、開拓者精神、起業への挑戦、成功者の物語です。<P>本書を読んで、日本の企業、産業構造、庶民の活力や個人の<BR>熱意が、いかに、日本を変革して、中国やアジア諸国と競争<BR>していくために必要なものか、を改めて思い知ります。<P>とはいえ、カリフォルニアのゴールドラッシュと、成功者の<BR>様々な逸話が、いつの世も変わらない、成功者と失敗者の<BR>分かれ目を読み解くカギとなっていて、面白いことこの上ありません。<P>現状に甘んじることなく、変化を感じ取り、その変化への適応<BR>がいかに大事か、個人の変化と熱意が成功のために、どれだけ<BR>大切かを学ぶことができる、読みやすい、壮大な物語です。