わたしはこの本を持ってナポリとその海沿いの周辺を旅して来た。本に出ているその場所に着くと適当に腰掛けて、この本を開きその場所の箇所を読む。通常のガイドブックと違い、写真と文章が交互にレイアウトされていて、でも不思議に読み易かった。 それに重くて分厚いガイドブックとは違って軽くて大きさも丁度いいのに内容は濃い。著者がいかにイタリアに愛情を持って書いているかが伝わって来る感じがする。
素敵な写真がふんだんに盛り込まれ、各都市・街の記述も、簡潔なため、南イタリアの旅行の計画を立てるのに手放せない一冊となった。特にナポリは、地図も充実しており、ウォーキングの参考ルートなどもあるので、来月の旅行に携帯していくつもり。旅行前から、この本を読むと行った気になるから不思議だ。南イタリアのイメージが続々湧いてくる本。願わくば、ナポリ以外の町々について、歴史や都市計画などもう少し詳しい説明があれば、使い道がもっと広がると思う。
南イタリアに旅行するのに参考になるガイドブックを探そうとしたら、行きたい場所を紹介しているものがほとんどないときに見つけたのが、この「ナポリと南イタリアを歩く」。<P>同じ筆者のシチリア編とともに、写真が美しく、その地の歴史にも適度な切り込み加減を見せている部分が魅力的な本で、旅行に行く人も行かない人も買って損のない良質な仕上がりとなっている。<P>ホテルやレストラン予約・交通機関の時刻といった旅行のノウハウよりも、南イタリアという土地と歴史、そして生活の匂いへの思い入れを大事にして、地図を持たずに街を迷いたい人にとって必携の一冊と言える。