とても面白いです。養老さんは解剖学者として数十年間も亡くなった方と向き合い、人の生死について思索されてこられた方です。養老さんの人間の身体性(とりわけ、身体としての脳)に着眼した思想ははいつも非常に鋭く刺激的で、私は養老さんをとても刺激的で面白い思想家の一人だと思っています。この本は養老さんの口頭での話を本に起こしたもので、口語調ですらすらと読めます。といっても、現代人の、ともすれば見失いがちな視点をふんだんに提供してくれます。
私は以前から、養老氏の講義で彼の考え方に興味を持っていたのでこの本を購入しました。個人的にはこの本は結構好きなほうです。ただ、一言一言に私たちが考えている以上の含みを感じるのでわかる人にはわかるけどわからない人には何が言いたいのかすらわからないということもあると思います。また、内容は人に読ませる為に書いた本というよりも、こんな考え方もあるんだよー。っていう作者の独特な価値観を綴ったって感じですね。
大ベストセラーとなった本作ですが、他のレビュアーの方がおっしゃるほど悪い本だとは感じませんでした。<BR>特に、頭がよいとはどういうことなのか、y=axで表された脳の情報に対する入力・出力の仕組みを理解することができ、ためになりました。<BR>人間、柔軟に謙虚に物事を捉え、自分は変化できるものだということを信じて色々なことに挑戦する姿勢が大切なのだと思いました。