なんといっても樅の木が弾きたかった!あの何ともいえないイントロの後の堂々とした響きの中、哀愁を帯びたメロディが展開されていく・・・。中間部はピアニスティックと思いきや、聴き応えがある割には弾きやすいアルペジオ。発表会にも十分映えそうです。館野さんとピータ・サロマさんを聞き比べレッスン中。樹の組曲(本当は別々のものらしい)の他の曲もいい! 1曲目のピヒラヤの花咲く時はななかまどの赤い実がかわいらしくすがすがしい季節と言った感じ。金魚草のあのゆらめきも不思議な気分になります。CDは散々聴いているので、気に入った曲はすべて弾きたい。中級の人にお勧めです。
~シベリウスの作曲技法は初期の雄弁さから簡素さへ、華やかさから深さへと「深化」してゆくところに他にない特徴がある。中期の作品である「樹の組曲」「花の組曲」もピアニスティックな一面、なかには厳しいほどに音の少ない部分もあり、こういう過渡期の特徴がまた魅力となっている。このアルバム以降は起承転結すら明確でない禅問答のような曲が並ぶ。いき~~なりそれに当たると途方に暮れると思うので、シベリウスをコアに極めたいと思う人はこのアルバムあたりから始めておくのが良い。晩年の禅問答のような作品に興味があれば、同じく舘野氏監修の小曲集がピアノピース版で入手できる。併せて入手されれば味わい深いものになると思う。~