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理科系の作文技術 ( 木下 是雄 )

理系の中では定番本でしょう。私も初めて論文を書くとき、先輩から薦められて読んだクチです。<BR> 著者が多数の論文を読み、書く中で苦心なされた跡がにじみ出ています。その中から得られた知見は含蓄に富んでおり、理科系論文を書く座右の書としてお勧めできます。特に初めて論文を書く者には、この本から学べる事は多いでしょう。<P> ただし、著者の薦める文章の書き方は必ずしも一般に通用するものではない、という事について、私は敢えて苦言を呈したいと思います。例文に見られる著者自身の文章は独特のクセがあり、残念ながら、万人が真似してよいものかどうかは疑問です。<BR> 著者の技巧は、それを苦労の末に体得した著者のみが使えるもので、一般の読者は読者自身の書き方を会得すべきでしょう。心は盗んでも技は盗むな、と私は言いたいです。

すべての大学生にとって必読の書。「理科系」に限らず「すべての大学生」に役に立つ本。人に何かを「伝えるための文章」を書くときに必要なエッセンスが書かれている。論理的思考力をつけることにも役立つ。「理科系」の学生にとっては、卒業論文を書くときまで実感することは難しいかもしれないが、そのときに読んでおいて良かったと必ず感じるはず。<P> 出版されたときが、パソコンがまだBASICで動作し、ワープロもなく、作図もロットリング(手書き)でされていた時代であり、すでに古典になりつつある。古さを感じるものの、内容は色あせず必読に値する。

著者の文章はキレがあって読みやすい。さすがに、こういった本を出すだけのことはある。最近ではめったに出会わなくなった名文。また、名文を書く人。そのような今日にあって、文章の書き方・論理構成がわからない人は必読だ。文系の人が読んでも大いに役に立つ。<P>しかし昨今、プレゼンテーションや学会発表はパソコンが主なだけに、少々古いなぁと感じた。あとは、文句の付け所がない。

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理科系の作文技術調査報告、出張報告、技術報告、研究計画の申請書など、好むと好まざるとにかかわらず、書かなければならない書類は多い。 <p>このような書類を書く際にまず考えるべきことは、それを読むのは誰で、その文章から何を知りたいと思っているかである。それに応じて自分は何について書くか主題を決め、最終的にこういう主張をする、という目標を定めて書き始める。 <p>著者はまず、この目標を1つの文にまとめた目標規定文を書くことを勧める。そうすることで明確な目標意識を持つことができ、主張の一貫した文章を書くことができるというわけである。そしてその目標をにらみながら材料をメモし、序論、本論、結論といった原則に従って記述の順序や文章の組み立てを考え、すっきりと筋の通った形にしていく。本書では本論の叙述の順序、論理展開の順序、パラグラフの立て方から文の構造までを解説し、日本人に特有の明言を避ける傾向と対策、事実と意見の書き分けについても触れている。 <p>実際に著者が書いたメモや論文の一部など具体例がふんだんに盛り込まれており、わかりやすい。いかに簡潔な表現で筋の通った主張をし、読む人を納得させることができるか。理科系ならずとも、論理的に思考し文章化することは、常に求められる能力である。本書ではそれに必要な技術、フォーマット一般が整理されており、参考になる。多少語調が古い感じもするが、それも再版を重ね、多くの人に読まれている証であろう。(宮崎 郁)
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