本著は言われるまでもなく、組織論の名著であります。<P>今の日本は、売上の拡大や、シェアのアップなど<BR>高度成長期と同じ成長モデルでの<BR>企業の成長は難しくなっており<P>本著を通じ教え考えさせられる組織のあり方、<BR>現在の複雑系な組織の中でも、<BR>基本的な組織のあり方は単純なモデルであり、<BR>そのモデルの構築をいかようにすべきか<BR>考えさせられました。<P>また、10年後、経験をつんでから<BR>再度、読み返さなくてはならないと感じました。
本書を通じ、日本軍が各戦局において過度な精神主義の強調、敵方兵力の過小見積もり、作戦目的の不明瞭、戦力の逐次投入、指揮通信系統の不徹底、といった組織的過ちを重ね、徒に多くの人命と戦力を失っていく様子を実証的に知ることが出来た。<P> 本書は、日本軍の組織的欠陥として、「グランドデザインがない」、「戦略的目的が曖昧」、「環境変化に対し場当たり的で、incrementalな対応しかできない」、「統合能力が欠如している」といった特徴を指摘しているが、これは現代の日本にもそのまま当てはまる。官僚組織に身を置く自分にとって思い当たるところがあまりに多い。官僚は司々で誠心誠意頑張っていても、総体として見ればそれが国全体としての利益にかなうのかとの思いがある。いや、これは官僚!に限らない。視野が狭く、色々なしがらみに捕らわれ、構造改革が遅々として進まない日本社会全体について言えることだ。とすれば、こうした組織行動は日本人の性なのだろうか。<P> そうは思いたくない。色んなアイデアを持ち寄り、議論し、切磋琢磨する自由で合理的な社会を我々の手でつくりましょう。
この本はあくまで「組織論」テキストに付随する事例集である。<BR>たまたま事例を太平洋戦争に求めただけ。<BR>そして「この傾向、あなたの会社にもないですか?」<BR>というのがこの本の問いかけ。<P>だからこそ、ノモンハン、ミッドウェーといった<BR>部分局面、それもあくまで戦術指揮官の意思決定面といった<BR>ある意味「偏った」議論に終始するのである。<P>著者たちが「この6つで十分」と言い切るのも理由はそこにある。<P>組織論の事例以上のものではないから、それぞれの戦闘の<BR>惨状にもさほど触れていない。<P>そういう目的意識でこの本は読むべきだと思う。<P>そこが見えていなければ、この本は議論が中途半端だ、<BR>というだけで終わる危険がある。