実際に新選組を目の当たりにした者にしか分からない描写が、ここにはある。芹沢鴨の暗殺当夜の様子、その後の処理。池田屋事件、そして近藤勇の最期。墓から遺体を掘り出し故郷へ運ぶさまは、悲壮感が漂う。つかの間の華やかさ。それと対照的な末路。これがわずか百数十年前の出来事なのだ。残された家族などのその後も興味深かった。どんな境遇になっても、家族は決して新選組のことを忘れることはなかったと思う。家族としての悲劇が、そこにはあったのではないだろうか。
小説とは違った、新選組隊士の素顔に迫れます。<BR>私のお勧めは、象山の忰です。<BR>といっても、象山の息子に興味があったのではなく、「土方と沖田が2人で碁をうっていた」というところから、<BR>鬼と恐れられた彼等も非番の時には、仲良く遊んでたのだな、とか<P>「”鈍いのが本当じゃねぇか。何だ。何だ。そのざまは。”と沖田が大口をあいて笑った」などというくだりを読むと、<BR>彼らがどんな言葉遣いで、どんな会話をしていたのかなどが想像できるからです。本当にいつも笑っていたのね。沖田さん。
当事者に聞いて書き留めたものなので、<BR>静かな迫力があります。<BR> 私には、「勇の屍を掘る」が印象的でした。<BR> 映画やドラマではとりあげられない場面ですが<BR>肉親達の愛情に涙しました。<BR> 小説とはちがう、淡々とした描写が<BR>「事実はこうだったのか」と思わせます。