かわぐちかいじ氏の人気コミック「ジパング」で一躍有名になった石原莞爾の昭和15年の講演録。昭和15年になんとなく読みにくそうな本だろうと思われるだろうが、当然、新字新かなだし、講演録だから、口語体であり、実に読みやすい。<P>この本を読めば、「ジパング」で石原莞爾が講演で登場したのも納得。あの講演をもっと聴いてみたいと思われた方には、絶対お勧め。
昭和15年当時、石原莞爾が世界についてどう考えていたか、どうなっていくと予測していたかを記した本。読みやすいし、理解もしやすい。<P>しかしそれこそが危険だと思ったりもします。世界はそんなに単純に割り切れないし、石原の予想通りに世界はうごかなかったよ、と。だから口あたりのいい未来論なんか、100%信じちゃいけない。<P>でもひとつのビジョンを示しているのは事実、きっと魅力的な軍人だったんでしょうね。
関東軍の異端児、石原莞爾の戦争論。本著の中で彼は「平和」を求めている。世界は最終戦争を経て平和がおとずれると予言している。その予言の補強として日蓮宗と照らし合わせている。読後の感想はまさに「不思議な書」である。しかしながら彼の視線は常に「平和」を見据えている。日本に原爆が投下され、戦争終結を迎え、彼の予言が一部あたったが、彼の望んだ世界平和が訪れていない現代、石原はどのようにこの世界を見つめているのであろうか。