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| 植物と人間―生物社会のバランス
(
宮脇 昭
)
初版が1970年のこの本。35年経った今年2005年に、この本は第66版を迎えたそうです。著者は横浜国立大学名誉教授の宮脇昭先生。既にここ数年で関連の本を読み、感銘を受けてはいましたが、35年も前から既に「自然と人間のかかわり」について、徹底して同じ考えを持ち続けておられることに、ただひたすら驚きと敬意を感じてしまいました。<BR>35年前に発売されたこの本の中では、人間がエゴを追求していくことで、自然環境が破壊され、人間社会に悪影響が確実に及ぼされていくことが、既に警告されています。そして、人間と植物のあるべき関係が具体的事例とともに説明されています。「地球温暖化」という言葉はまだ出てきていない時代です。まだ、誰も、そんな環境問題の存在には気にも止めず、次から次へと開発を進めていた時代です。ここ10年の間で環境問題は多くの国民の関心を持つようになってきましたが、順調に解決方向に進んでいるとはなかなか言えなそうです。<BR>35年前、1人の研究者が発信したメッセージは、少しずつですが、徐々に多くの人に伝わり続けているようにも感じます。もっと多くの人がこのメッセージを通じて、何かに気がついてくれるといいなと思います。文系人間の私には、専門用語は難解ですが、それでも最後まで読み終えたときに学んだものは多かったです。少しずつでも、じっくり読み進めて頂きたい一冊です。
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