議論は、シンプルで、言われてみれば当たり前のような構造と前提にたっておこなわれることを知りました。これは実は衝撃的なことで、議論なんて全く未経験の私でも、社説や政治家の話を「自分で」分析できるのです。実際、しばらく前にこの本を読み、紹介されている議論のモデルを念頭において本を読んだり人の話を聞いてみました。物の見方というのは何もお金になるわけではありませんが、なぜそう主張できるのか、その論拠は?と考えながら接することで、周囲に対して意識的に関わることができ、生き方が少し豊かになります。
「相手に自分の伝えたいことを,うまく伝える事ができない」、「うまく伝えたつもりでも、相手が理解してくれない」という人は、一度この本を読んでみるとべきだと思います。この本を読めば、「なぜうまく伝わらないのか?」、「うまく伝えるにはどうすればよいか」を理解する事ができます。<P>また、この本は就職活動中の学生にもおすすめです。就職試験は面接重視の企業がほとんどです。このため,なかなか就職の決まらない学生のほとんどは、面接に問題があるといっても過言ではないでしょう。面接においては、「自分がわかるからといって,相手までわかった気にならない」ことが大切です。よりうまく、自分の考えを相手に伝えるために、この本を手にとりましょう。
話し合いの場で議論(のようなもの)をしているとき、何か噛み合っていないな?といつも思っていました。しかし自分にはどこが噛み合っていないかわからなかったため、それ以上話ができませんでした。この本ではどうして噛み合わない議論になってしまうのかを「論拠」という「暗黙の仮定」に光をあててひもといてくれています。具体例が現実的で分かりやすく、議論をする上での考え方が段階的に理解できました。最終章にまとめとしてプロの社説を分析する場面では、プロの人文章でも議論の余地が沢山あり、自分たちにも分析できることを知り、驚きを感じました。あとは、この本をもとに実践あるのみです。