二重らせんの私―生命科学者の生まれるまで みんなこんな本を読んできた 二重らせんの私―生命科学者の生まれるまで
 
 
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二重らせんの私―生命科学者の生まれるまで ( 柳澤 桂子 )

 本書は生命科学者である筆者が研究者となり、病魔に倒れるまでを描いた本である。科学の進歩の速度は読んでいて驚くばかりである。同時に研究の世界で暮らす様々な学者の魅力的な素顔も軽妙なタッチで描かれていて、研究というものの面白さが良く伝わってくる。遺伝子の研究史が分かりやすく描かれているだけでなく、今の経済的利益に先導された遺伝子研究への批判もなされており、読み物として優れているだけでなく、啓蒙書としても非常に優れている。科学は苦手という人にもおすすめ。

大学に入ったばかりのころこの本に出会い、著者の学問に対する姿勢はまさしく知を愛する人の称号にふさわしいものであり、少しでも近づきたいと思わされた。分子生物学の黄金時代をコロンビアで過ごした筆者を心から羨ましく思う。そしてそれらの発見がただ単に利益を得るために利用されないことを私も心から願う。

小さい頃から生き物の命に魅了され感性豊かに育った著者は、その才気を存分に生かして生命科学者の卵となり、アメリカコロンビア大学で、当時最先端の遺伝子生物学を学ぶ幸運に恵まれる。2年半の留学期間中に出会った高名な科学者達から受けた学問的な刺激と人格的学びは、著者自信が自分の学問的課題に正面から向かい合ってこつこつと実験を積み上げていくことで到達する喜びとあいまって、学問すること、科学することの純粋な喜びや興奮を私たちにも伝えてくれる。純粋に科学することの喜びに熱中していた当時から時代は下り、いま、科学することが(遺伝子生物学が)金儲けにまみれ、有用性を追い求める競争に成り果てている。著者は生来のいのちに対する感性と、難病に40年間苦しめられた経験を通して、遺伝子に魅了されながらも、生命倫理を飛び越えて一人歩きし始めたDNA研究に危惧を感じている。<BR>それにしても、次々紹介される遺伝子実験は、科学の歴史に刻まれるような大実験であるにもかかわらず、素人の私たちにも十分理解できるように説明され、興味をそそらせるのは、さすがに一流のサイエンスライターだと思う。<P>いのち全体を宇宙規模で見渡した科学者が、学問の魅力とまた危険性を、明らかに示してくれる。

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