著者のロバート・K・レスラーさんのFBI捜査官としての実体験の本ということで非常に読みやすかったです。<BR>凶悪殺人犯と直接面談をし、プロファイル作成の知識としていった姿はこの分野のパイオニアと言ってもいいと思います。<BR>しかし、読む際に著者の意見に全て賛同してしまうのではなく自分の考えを持って読むことが特に重要な本でもあると思いました。
映画「羊たちの沈黙」の原作だと聞き、読みました。<BR>憎悪の殺人→理由なき殺人→快楽のための殺人 と、心理的に複雑化する犯罪と戦う中で獲得した手法には、説得力があります。<P>細かな情報を寄り集め、シャーロックホームズのように犯人を絞り込む過程は、探偵小説のようでもあります。<P>ただプロファイルって、本当は100の中から1を見つけ出す技術ではないと思う。<BR>むしろ、母集団の決定と、100から10に絞り込む技術なのではないか、と。<BR>また、分析の失敗例についても知りたかった。<P>舞台となった犯罪の残虐さにも目を奪われます。<BR>映画「セブン」のような犯罪が、現実に起こっている。<BR>憎悪でなく快楽のために殺人をする人たちが不気味です。
1巻目の「FBI心理分析官―異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記」に比べて、読む楽しさに欠けました。<BR>1巻目は遠い世界の事件を扱っていたので、不謹慎ですが推理小説を読むような楽しさがありました。<BR>が、本書の舞台は日本。<BR>「電車で隣りあったかもしれない人が犯した犯罪」として読むには、快楽殺人の本はヘビーすぎます。<P>プロファイルという言葉を聞き慣れた時期に読んだこともあり、統計による絞込みにも見えるこの分析手法が「理論」となりうるのか、という疑問ももちました。<BR>しかしこれまでは見落としがちだった細かい情報も、判断のパラメータの中に取り込む手腕は見事だと思います。