ナナコは健気だ。ナナコの手にはどんな幸せもない。家に帰りたくないのも当たり前だ。ナナコと葵と、ほんの少しでも楽しい時間があってよかったね、と言ってやりたい。その声が届かないことが切ない。<BR> ナナコと葵のさまようところが、どうにもしてやれなくて悲しい。これは小説で、作り物なんだと思うんだけど、どうにかしてやりたい。泣いたって仕方がないのだが、泣きたい気分である。胸をかきむしられるような気分というのは、こんなことをいうのだなあ。<P> ナナコと葵に、タイムマシンでプラチナのリングを贈ってやりたい。<BR>
結婚して子供のいる小夜子と独身で好きなふうに生きているように見える<BR>同い年の女社長の葵。。。<P>物語は小夜子の現在の話しと葵の学生時代との話しが交互に語られていきます。<P>読みすすむうちに今の小夜子と葵の関係が昔の葵とナナコの関係にそっくりだ<BR>っていうことに気付くようになってます。<P>女の子の仲良しグループ・・・誰もがハブられるのが怖くて自分を偽りながら<BR>傷つかないようにうわべのつきあいを繰り返してる。<P>ほんとの友情とは?<P>読み終わってそんなことを考えながら対岸の彼女とはうまいタイトルやなぁ~<BR>と思った。<P>たぶんこの本は男の僕が読むのと女性のひとが読むのとはまたちがった思いが<BR>あるんだろうな・・・<P>そんなことをふと思った。。。
学生時代のように何の憂いも屈託もなく、ただお互いの存在だけをすべてと信じ、同じものを見ながらつきあうことができたなら、どんなにいいだろう。<BR>「私はあの人たちとは違うわ。」<BR>「あの人に私の立場なんか理解できない。」<BR>大人になると、そういう思いが知らず知らずのうちに互いの間に深い流れを作り出す。いつのまにか川の流れの向こうとこちら・・・。だが、決して歩み寄れないわけではない。どんな川にも、必ず橋はある。そこを渡るのに必要なものは・・・?その答えは、それぞれの心の中にあるのだと思う。作者は、高校生の女の子や大人の女性の心理状態を見事に描き出している。共鳴や反発を感じながら知らず知らずのうちに、どっぷりとこの作品に浸かってしまった自分がいた。