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その日のまえに ( 重松 清 )

「王様のブランチ」で大絶賛!<BR>こんな帯いらないって!<BR>おかげで本屋さんは在庫ゼロ。取り寄せ3週間などとのたまう。<BR>(アマゾンさんは3日で届きました。感謝)<BR>気負いすぎて読み始めないように。<BR>(そうなると、泣き所をハズしちゃった)<BR>重松 清・・なぜこんなに上手なんでしょう?<BR> 今度は「定年ゴジラ」につぐ「熟女ガメラ」など書いてみて欲しいナ。

死が身近に迫ったことを知らされた者が思うことやとる行動など、特別なことをとてもこまやかに表現し、読み手に素直な感情移入を強いる力はみごととしか言いようがなく、重松清の本領発揮といったところ。確かに泣けます。<BR>しかし、病で思いを残しての死という、いやでも涙を誘うテーマで全編を通すというのは禁じ手の感もあり。読後にずるいの印象が浮かんだ。

 ものすごく期待して買っただけに案の定泣けるものではなかったが、やっぱり重松さんらしい、日常を丁寧に切り取って人の心の襞を繊細に描いた作品でした。「朝日の当たる家」は朝日が昇ってまたあの一日が始まる恐さという、私たちの身の回りにいつでもありえるような日常的な恐さを淡々とリアルに描いていただけに作品の奥深さを感じました。<BR> 私が重松さんの作品を好んで読むのは、リアルな日常の、あえて言葉では表せない思いをごくごく自然に描く作風が好きだからです。決してハッピーエンドに終わるわけでもなく、誰かがいつでも優しい手を差し伸べてくれるわけでもない。今回の後半の三部作では奇跡が起こって命が延びたりするわけでもなく逆に余命が縮まってしまう。でもそれこそが私(達)の日常であるからこそ共感し、同じ境遇に陥った主人公達を見てこんな風に思うのは私だけじゃないかもしれないと少しだけ安堵し、穏やかになれるのです。<BR> 重松さんの心の中には一体何人の人間が住んでいるのだろうかと思います。

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