着眼点は面白いのだが・・・。<BR>村上春樹さんの文章はさすがに一読の価値ありというか金払ってでも読む価値があるのだが、他のお二人はそうでもないかな。<BR>まあ、私も自己責任で買って読んでいるわけだし文句を言う筋合いではないのだが。<BR>「するめのようにかめばかむほど味が出るような場所を、『洗練された都会人』の我々が訪問し、おもしろおかしく紹介します」、っていう感じの嫌味さがそこはかとなく感じられて、そこがあまりなじめなかったな。<BR>誤読かもしれないけど。
東京するめクラブの3人は、「あえてそこに行く」をモットーに斜陽化進行中の熱海や清里、けっこう見過ごされがちな江ノ島、見向きもされない大都市・名古屋などディープスポットへ出かけていきます(あと、ホノルルと樺太ね)。寂れてしまった場所は時代の波に取り残されて、つまらない場所に成り果てたとも言える。でも視点を切り替えれば、埋没してしまったいろんなものたちの中にも楽しさの種が健気に芽を出していることに気づくのです。クラブ員たちはとっても面白い珍道中を展開していき、読んでいると笑みがこぼれてきます。そして実は「旅」というものに特化しなくても、怠惰で冴えない日常生活も見方を変えればエンジョイできることを示唆してくれているのです。
さすが、変わり者の村上春樹さん。友達も変わり者です。<BR>本書を読むまで、他の二人(吉本由美さん、都築響一さん)のことを全く知りませんでしたが、いや~、この人たちも、なかなかの変わり者ですね~。<P>彼ら3人が向かえば、結構「普通」の場所も「変」な場所に見えてくるから不思議です。