新進気鋭の有力な研究者にるものだが、非常に読みやすい。<BR> 近年の中国、韓国、北朝鮮の「反日」現象について論じたもので、一見すると「右翼的」な内容かと誤解されるおそれがあるが、著者はこれらの国々に深い愛情を抱き、滞韓経験もあり、そのようなことは決してない。むしろ、深い愛情と具体的かつ広い知識が読みやすい文体から伺うことができ、知的快感に近いものが感じられる。 <BR> 「一方的に道徳的に日本が悪であり、反省・謝罪し続けなければならない」という主張に問題が多いことをひたすら実証的・合理的にしりぞけ、真の東アジアの友好を実現するための方策を示してくれる。
買ったその日に一気に読破した。趣旨明快にして、文章は語音にも配慮したのか読みやすく、読後感は爽快そのものである。なぜ東アジア諸国は、日本国首相の靖国参拝を攻撃してくるのか。激化する中国ナショナリズムの本質は一体何であるのか。著者はそれらの問題について「近代」をめぐる時間軸のズレという問題定義をし、宗教観の違いや、中華思想的根底など思想から歴史、宗教と幅広く筆が踊る。とりわけ靖国問題については、宗教人でない一学者(経歴を見る限り)が、ここまで言えるのかと思想教化されるかの如く読み進んだ。大学生など、特に若者に読んでいただきたいお勧めの書物である。
独特の文体で一気に読ませる不思議な力がある。<BR> 東アジア3カ国(中、朝、韓)の反日は(小)中華思想に基づく「侮日」であり、彼らが日本に対し吹っかける理不尽な「道徳志向性」に迎合してはならず、読者に対し終わりなき反日に戦い抜く決意を訴えている。<BR> 著者の論述は文明論、近代化論まで及び主張に説得力を持たせると同時に昨今の「韓流」並びに「嫌韓流」についてもコメントしておりこの方面に関心のある方にもぜひ読んでもらいたい。<BR> 著者は一方で「東アジアに対する愛情と熱意にかけては人後に落ちないと自負して」おり、その愛情と熱意により得られた広範な知識がこのような本を書かせたことこそが「あとがき」に書いてあるように著者の創造性であり、その「隠れた質」が文章の美しさとなって現れているということができよう。