小学校卒業後に海外へ移住してしまった私には日本の硬い歴史小説を読むのは少し辛い気がいつもしていました。でもいつか司馬遼太郎の作品は読みたいと思っていた。そんな私が最初に選んだのは「竜馬がゆく」でした。なぜって竜馬のことはあまりにも有名すぎたし、幼い頃はアニメ「お~い!竜馬」なども見ていたので、わりと良く知っている人物が主人公の小説から始めてみうようと思ったわけです。<P>結果は大成功、面白くて面白くてだーーっと一息に読んでしまいました。 このレビューは初めて司馬遼太郎の本を読もうとする若い世代にむけて書いてるつもりですが、「竜馬がゆく」は竜馬が主人公ながら所々竜馬から話しがずれて他の武士の話がつけ足たされたりしています。 もしも最初にそういった箇所を読むのが辛かったらそういったページは抜いて読んでもいいと思います。後々に読み返した時にそういった箇所もだんだん読むようになりより深く楽しめるようになると思います。 本を読む忍耐も時間もない、歴史もあまりくわしくない、そんな私がどうやって最後まで読めたかっていうとそうやって読みました。<P>その後は一息をついて短編集にしぼりました。それも幕末の話や維新後の話にしぼりました。「あ~、そういえばこの登場人物は竜馬がゆくにでていたなー」とか「竜馬の死後にこうなったのかー」などと思い、自分で段々と作品と作品の間にある繋がりを意識するようになり、そうやって司馬遼太郎の世界が広がっていきました。<P>直接「竜馬がゆく」に関するレビューではなく、どうやって司馬遼太郎の本を読み始めるかみたいなレビューになってしまってすみません。これから司馬遼太郎の本を読みたいけど難しそうと躊躇している方々に役立ちますように。
司馬遼太郎の名作『竜馬がゆく』の第三巻。勝海舟登場、それだけでこの巻を語るには十分だろう。生麦事件を筆頭に、各地で高揚する攘夷の気風とは裏腹に、勝海舟との出逢いから人生の大きな一歩を登り始めた竜馬。世論の蠢く中、勝海舟と共に計画を進める神戸海軍塾の創設に際して、脱藩の罪も許されいよいよ波に乗る竜馬、一方ではおりょうさんの登場で話に華も咲く。一人我が道を見出して時を翔る竜馬、まだ表舞台に立っていないとは言え、その傍らには敵も多いが、竜馬にはその敵すらも惹き込んでしまう只ならぬ魅力があった。勿論、読者も然り。<P> 薩長の動向は益々激化し、生麦事件を筆頭に攘夷の勢いを高める中、両藩は暴走の道を歩み始める。それに乗り遅れまいと武市半平太が統一した土佐藩もこの波に必死で乗り込んだ。京は朝廷を囲んで薩長土藩の只ならぬ緊迫感で犇く。その中淡々と、竜馬は勝海舟と共に大好きな船に明け暮れる毎日。幕臣勝と手を組んだと非難も絶えないながら、竜馬と勝が描いていた維新の全体像はこの時誰しもが想像し得ない画期的なものだった。その新しい計画の第一歩がとうとう神戸で巻き起ころうとしている。いよいよ歴史を揺るがす竜馬の活躍の舞台が始まる。血気盛んな志士達とは違い、竜馬は遥か海の彼方に夢を託していた。
僕の場合、ここ2ヶ月で『新史太閤記』『梟の城』『功名が辻』『燃えよ剣』と読み進め、司馬文学五冊目になります。<P>三巻では、寺田屋騒動から生麦事件を経て、越前藩での無心までが描かれています。当時の背景についての記述が多く、特に、生麦事件は教科書的な内容しか知らなかったため、こんな背景だったのかと改めてその問題の大きさを実感しました。<BR>また、いよいよ咸臨丸艦長だった勝海舟やお竜(おりょう)が登場します。<P>晩成竜馬が海軍学校を作り、ようやく一歩踏み出します。