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| 翔ぶが如く〈2〉
(
司馬 遼太郎
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第2巻は西郷隆盛を中心とした征韓論をめぐる攻防。西郷の遣韓大使派遣はいったん決まったかに見えたが、反対派の巻き返し工作によって、西郷はしだいに追い詰められていく。<BR>エピソードとして、元旗本の息女芦名千恵の物語があるが、全編を通して唯一小説らしい一遍であった。 登場人物、全てが「かっこいい」のである。明治維新後の<BR>国家建築の動乱期の征韓論をめぐる戦いが、鮮やかに描かれている。<P>p.206 桐野利秋<BR> この男は、天寿を全うするなどとは全く考えていない。<BR>(中略)「自分は死ぬべき時と場所に死ぬことができぬ<BR>やつだ」(中略)<BR>「西郷老人のみが自分に死所をみつけてくれる」<P> 常に自分の志と信念に従って、自分の命を燃やすという<BR>生き様が描かれています。生死をかけることが難しく、そ<BR>の必要もない幸せな現代に生きている日本人として、ある<BR>種憧れのようなものを感じます。
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