この本の中で最も胸に響く言葉は<BR>「男の生活、男の肉体は危機に向かって絶えず振りしぼられた<BR> 弓のように緊張していなければならない」でした。<BR>これは仏教で言うところの24時間乾坤一擲っていう<BR>御飯食べるときも仕事するときも遊ぶときも寝るときも<BR>全力投球っていう、あの哲学です。個人的にこれを実行するのは<P>相当困難で、そもそも全力投球ってものがどういうものなのか<BR>というところから考えなければならないと思います。<BR>全力投球のつもりが変なところに力が入ってるだけだったり<BR>ブレーキとアクセルを同時に踏んでるだけだったり、<BR>なかなかその辺の調整が難しいところです。
小説の中では凄く女性的な表現をする三島氏なのに、エッセイではとても男らしい。 繊細でありながらも意思の強い人だということを改めて実感しました。 <P>何十年も前に平成の日本を予想していたかのように現代の日本を皮肉る内容にはただただ脱帽です。もしあなたが今の日本で疎外されているように感じるなら、是非この本を読んでみて下さい。 必ずあなたの考えは間違っていないと三島氏は保証してくれるでしょう。 彼のような男性がこれからの日本には必要です。
三島の講演会などを集めたものだと思いますが、彼の先見性には舌を巻きます。<BR>色々なものをテーマに(勇者、作法、肉体、信義、快楽、羞恥心、礼法、服装、長幼の序、文弱の徒、努力・・)語っていますが、全て三島節で、今の時代にこういうテーマをそういう切り口で語れる人はいないと感嘆してしまいます。<P>口語体で読みやすいので、三島文学がとっつきにくかった人には大のお奨めです。今こうして推薦文を書きながら読み直していますが、三島節炸裂という感じ。痛快です。 三島が残した哲学というか本質的に訴えたかったものを、我ら「若きサムライ」は受け継いでいかねば成らぬと感じたりもします。