藤沢武夫のビジネス戦略がホンダ技研工業の発展とともに語られ、大変興味あるビジネス指南書となっている。<BR>本書の中に登場する本田宗一郎は、光り輝く少年のような魅力にあふれており、藤沢の彼に対する愛情や信頼が絶大であったことを証明している。<BR>引退の場面の両者の話は有名だが、何度読み返しても涙が止まらない。<P>商売だけでなく、人生そのものを深く考えさせられる珠玉の一冊だ。
HONDAの創設者であり、人間味に溢れ、頑な技術屋「本田宗一郎」。その彼を認め、惚れた女房役「藤沢 武夫」。その彼が経営を通して「世界のHONDA」を見つめ直した本書。<P> 現在でも同社の採用条件などを見ると、当時の2人の理念が引き継がれており、今の世の中でもなぜHONDAが強いのが分かる気がします。<P> 決してでしゃばらず、やることは十二分にして本田と共に歩んだ人生の回顧録的な一冊だと思います。読んでいて楽しめました。
戦後の大成長企業の一例である本田がいかにして今日の地位を築き上げたか、その葛藤と苦悩、成功の歴史を経営者の視点から見た一冊。一般にソニーの井深氏・盛田氏ほどの認知度はない藤沢氏であるが、その裏方に徹する精神にはカリスマ性だけが注目される創業経営者の常識を覆される。本田裏方史とも呼べるのではないだろうか。