植村さんがマッキンリーで消息を絶ったのは僕が中学生の時。当時はかなり話題になったので、植村さんの著作をちょっとは読んだのですが、今回改めて読み直すと、やはり偉大な冒険家だけに、その人間性もすばらしい事に気づきました。かなり無謀な事もすいすい遣って退けてしまうのはなんなんだろうと思いました。植村さんは本書で、精神的弛緩が一番怖いと書いていましたが、これは冒険家だけではなく、何か偉大な事を目指す人に共通するのではないか、と思いました。とにかく勇気を与えてくれる一冊です。
植村さんの謙虚で、そして行動的な生き方を感じることが出来ます。<BR>山が好きな人も、そうでない人も、この本を読めば考え方が変わると思います。<BR>ちなみに、アルピニストで有名な野口健さんも、この本を読まれて世界七大大陸の山を登っているそうです。
今現在も、国内外で活躍する多くの若き冒険家に共通していることは、この『青春を山に賭けて』を読んでいることです。未踏域が残されていた時代の、最後の冒険家と呼ばれる植村直己さんの放浪記であって冒険の書。自分の力のぶつけどころを求めて、地球をうろうろしていた男の自己表現の一冊。ほんとに、多くの方々がこの本に触発されて、自分も負けていられるかと、それぞれの冒険に出発しています。<P>単純に山が好き、というだけなら、そこまで多数の共感を得られるはずがなく、旅好きのバックパッカーや、日頃もやもやしている普通の人にとっても、とてもおもしろい内容だと思います。正直いって、植村さんみたく、そこまで命がけで夢中になれることを、私は見つけていませんでした。もっと若い頃にこの本を読みたかったです!