故毛沢東主席は、湖南省出身の農民出身の偉大な政治家・革命家であると同時に、偉大な詩人でもあった。それは見習うべきことである。彼は文人であり、修行僧という感じもする。自らを戒め、生活をきりつめ、贅沢は決してしなかった。これらのことは、もはや贅沢使い捨て国家となった日本が見習うべきものである。毛沢東主席には誤りもあるが、誤りよりも良い面を見つめ直して、見習い、自らを高めていくことこそ必要だと思う。他人を蹴落とすことをすれば自分も蹴落とされると戒め、他人の良い箇所を見習うと自分を高めることが出来ると認識すべきである。このレビューのタイトルを上巻に引き続き、続李先生版『中国の赤い星』と名付けたい。下巻のみを読んだのでは全体の概要は分からないので、上下巻と㡊!に読まなければならない。
出だしからして度肝を抜く面白さで、それが最終章までほとんど弛むことなく続くという恐るべき書物。それにしても、出だしのてんやわんやは吉本新喜劇の一番の傑作よりも面白いのではないか。ブラックユーモア横溢の、共産主義独裁政権ならではの、あっと驚く裏話である。あれやこれやとにかく興味深い話が詰まりに詰まっているけれど、権力闘争のメカニズム研究の資料としても十分値打がある。四人組が打倒された場面など実にあっけないいきさつであり、権力移行の仕組みは我々素人が考える以上に単純なものなのかもしれない。権力をめぐる当事者のぐっとふんどしを締めるその気合の差なのではないか。 この書物を嘘っぱちだとする本が出ているけれど、真相はどうなのだろう。本書の記述は、私には十分リ!アリティのあるものでした。読んで絶対損はしない。