正直、児玉源太郎という人の背景は、今までよくわからなかった。<P>長州閥の恩恵で閣下になったのか?にしては乃木あたりと比べて恵まれない<BR>境遇だったように見える。その差の原因って何?<P>山県と仲がよかったというが(坂の上の雲)、長州閥どころか陸軍の体面<BR>すら飛び越えるような思考の持ち主が山県と反りがあったのだろうか?<P>山県ってそんなに鷹揚な人だっけ?<P>全て、この本で氷解しました。今までより児玉という人が好きに<BR>なりました。かつて、日本軍にもこんな人がいたのです。
と親しみに近い感慨を抱きました。児玉源太郎といえば『二百三高地』で丹波哲郎が演じたイメージしか無かったんですが萩藩の支藩としての徳山藩の下級藩士の子として生まれ山田顕義に目をかけられながらも寺内正毅、乃木希典の後塵をはいし、西南戦争で乃木が軍旗を奪われた責任を熊本鎮台の参謀としてとらされ散々な目にあわされながら名指揮官、名参謀としての頭角を現してくるストーリー展開は好感が持てます。
私自身、複数の児玉元帥に関する本を呼んでおります。本書はその中でも<BR>類希な戦略家(軍人)としての評価より、日本を近代国家にするために<BR>豊富な知識をその時々の立場(大臣)で発揮した優れた政治家として<BR>表現している名著であるとおもいます。何度も読み返し一種のビジネス書<BR>(行動学)として活用させてもらっています。