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ニューヨークの24時間 ( 千葉 敦子 )

時間管理のハウツー本だと思って読み始めると、やけどをする。確かに、切抜きの整理の方法だとか、コンピューターでのオンライン検索(パソコンという言葉がまだない時代のこと)など、著者流の時間管理の方法が書かれているが、それはあくまで「千葉敦子」の方法なので、直接役立てるのは難しいと思う。それでも評価が星5つなのは、この本が、「生き方なんぞは自分で工夫して自分で決めていいのだ!」ということに気づかせてくれるから。ある年齢以上の大人にはあたりまえのことだが、世の中ができあがってから生まれてきた今の若者には、これまでにない視点を与えてくれるはず。

彼女の伝えたかったことはこの一冊の中にしっかりある。<P>私がこの本を読んだのは十年以上まえ。見てみると、91年に刷られたもの。<BR>表紙も薄汚れて、ページは赤茶色に焼けている。なおさら愛しい感がある。<BR>時間管理術の本が何冊出されようと、普遍のものがここには存在している。<BR>テクニックじゃないんだよね。<P>結局は「自分が 何を どう していきたいか」。<BR>そのためには時間をどう上手く使っていくか。<BR>24時間。人間に与えられた時間は皆平等。<P>情報としては古いものも確かにあります。でも、それは読み手の応用次第。<P>フェミに傾いている感も確かにある。でも、それも読者の取捨選択次第。

タイトルは解説の村上むつ子さんの言葉から引用させてもらいました。この言葉が一番この本の内容を表しているからです。ワープロが登場するくらいなので古いと言えば古いのですが、その分をさしひいても、情報満載です。「まあなんと多くの日本人はなりゆき任せに生きていることでしょう。」なんて表現を読むと反感をおぼえる読者もあるのかもしれません。以前、なりゆき任せに生きていた私としては、その後に続く読者が自分自身に問いかけるための質問の嵐が、あまりにも的確なので、こんな文章の中でも、大切なことから短く語る、というジャーナリズムの基本が生きていることに圧倒されました。ファイルシステムの構築の仕方も参考になります。一度読んだだけでは応用しながらすべて実行できないので、何度も読み直しています。

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