わりには自身はしょぼい<BR>作品しか書けないんだなと<BR>思った。
単に石原莞爾の一生を追うだけでなく、石原の与り知らないその時代の背景にも多くのページを割いているので面白く読めた。<BR>ただ柳条湖事件をはじめとする様々な史実に関しては、石原の才能を持ち上げすぎていると感じます。他の昭和史に関する本も読んだ上で、自分自身の歴史観で判断してください。
石原莞爾の生涯を描いた作品ですが、その半分近くは、<BR>大正から昭和初期の世界の政治・社会情勢分析に費やされています。<BR>その著者の分析・見解は絶品です。<BR>石原莞爾に興味がない方でも、この部分を読むだけでも本書は価値があります。<P>そこでは、歴史の結果を知るものとしての、なるべくしてなったかのような決定論的な分析に陥ることなく、<BR>また、善悪二元論に陥ることも無く、相対的客観的な目で当時の世情を炙り出します。<BR>やや、石原の肩を持ちすぎかという点はありますが、<BR>石原莞爾の本なのですから、そういう思い入れは致し方ないところでしょう。<P>十五年戦争(著者は否定するが)とは何だったのか、改めて考えさせてくれる本です。