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| 翔ぶが如く〈7〉
(
司馬 遼太郎
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各地の反乱が薩摩に飛び火するのを恐れた大久保は、あろうことか、西郷の暗殺を企てる。大久保には、岩倉具視と謀って開国反対の孝明天皇を毒殺したといううわさもある。日本の近代化のためなら、無二の親友でさえ除く。それだけの覚悟があるのが、大久保という人間なのであろう。決して西郷に対して憎しみはなかっただろう。大久保の苦悩は、本作では触れられていないが、きっと余人には計り知れぬほど大きかったに違いない。西郷の死ののち、暗殺予告が届いても、一向に警戒をしなかったところに、この大久保という人間の覚悟と悲しみが伺える。 一気に全巻買ってしまって、途中で読むのが嫌になってしまって全部読むのに半年くらいかかりました。学校の教科書のイメージで英雄だと思っていた西郷像がかなり変わりました。桐野と考え方がずれていくのが悲しいですね。最後の終わり方は凄まじくて、一気に読めました。時代からは、ずれてしまったけど彼等の信じたもの、生きがいとなったものを考えると、素晴らしい男達だったと思う。
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