フランス語の通訳を目指している私ですが、自信をなくしたときや、勉強に疲れたときに読むと励まされます。ノンフィクションながら、各章は短編小説のようなおもしろさがあります。それはひとえに著者のお人柄と言葉を知り尽くしているという証明と言えるでしょう。
通訳奮闘記というサブ・タイトルにつられて、フランス語専攻なのについ買ってしまいました。<BR>とにかく、すっごく面白いです。彼女の天性の機知、経験によるピンチを切り抜る技にはただただ脱帽します。読んでいるだけで凍り付いてしまうような修羅場も、ものすごい柔軟さとヴァイタリティでしのいでいる。それを飄々とシャレにしてしまっている精神力もすごい。難しい言葉も結構でてくるし、他の人が書いたらただの自慢話になってしまうようなエピソードも、彼女の抜群のユーモアと全く押し付けがましくない言葉の選び方で、本当に面白く勇気を与えてくれるものになっています。一流っていうのはこういう人のことを言うんだろうな。<BR>興味があった同時通訳の裏話も、面白いですね。イタリア語専攻じゃなくても、他国語を学ぶ人たち、仕事にする人たちは絶対楽しく読めると思います。
タイトルからは想像がつかないほど、ユーモア(適度な下世話ネタを含む)あふれた内容で、あっという間に読み終えてしまいます。イタリア有名人のちょっとした素顔あり、イタリア観あり、そしてやはりなんといってもすごいのは数々のシモネッタ!話を著者の日本語力と文才を持って、消化いや昇華させているところです。普段想像つかない一流通訳者の生活を楽しく具間見る事ができます。著者の写真がどこにもないのがちょっと残念。