元朝日新聞記者のフリージャーナリストが、朝日新聞社内の「とほほ」な内情を描いた。<BR> 朝日の思想的偏向のことではなく、形而下的な惨状を描ききっている。<BR> 理念の喪失、精神主義、品性の欠如、組織内にしか向いていない視点、批評精神の枯渇、人材育成の放棄、公私混同、嫉妬社会、ちょろまかし、etc。 ここにあるのは、朝日だけのものではなく、私たちの属するすべての組織、そして、日本国の病弊である。<BR> どっぷりつかった、ぬるく薄汚れた風呂の桶の底は、もう抜けているのに。<BR> 朝日を嗤うのではなく我がこととして読むべき本です。<BR> 著者の勇気に拍手。
私は、10年以上(それ以上?)の朝日新聞の読者である。但し、朝日論説に全部頷いている訳では決してない。 <BR> はじめは、書店でこの本を見たとき、OBによる朝日バッシングの本かと思い、すぐに購入を決めた。私は、そういう意地悪い人間である。<BR> しかし、読後感は、違う。<BR>この本の舞台が、大マスコミである朝日新聞社であるから、このタイトルや帯の文言などだけで、ある予断を許してしまうかもしれない。<BR> しかし、なんと言うのだろう、ジャーリストという言い方ではあまり<BR>適切(小泉首相の言葉を真似した訳ではないが)ではないかもしれないが、一人の「書き手」としての態度表明として大変誠実な感触を受けた。正直、私は、頁を繰るのが嬉しかったのである。<BR> つまり、良いものを読んだと思ったのでである。<BR> なお、一面識もない著者の烏賀陽氏宛にメールで感想を送らせて貰おうと思ったが、アドレス等が分からないので、ここに拙い感想を書かせて頂いた次第である。<P>