山口先生の作品は相変らず凄まじいですね~。以前発表していた先生の作品は登場人物が蹴りや付きの一撃で頭部が炸裂し、眼球、脳が押し出されたり、内臓が一塊になって突き出される描写が嫌ってほど多かったです。人間の体ってこんなに簡単に壊れちゃうの?と錯覚するほど、大げさな描写がこれでもかという具合に出てきました。いかにその衝撃度、刹那さを読者に効果的に思わしめようか、描写方法を先生は常々考えられていたようです。今回、原作者に残酷時代小説で有名な南條 範夫の作品を採用し、平田弘史先生の残酷時代劇画とはまた違ったものを書こうとしています。肉体と肉体が直接激突する展開ではなく、体に触れる部分は小面積という剣をモチーフにアイデアを温めていたようです。一太刀で相手に与えしめるダメージをいかに表現するか。それを助長するための主人公達の肉体の限界まで費やす技術習得を目指すエピソード。権力に固執する人間像。厳しく定められた流派の決まりごと。そのような中、皮一枚の差的な世界で美しく残酷で華麗な殺戮が毎月月間誌に発表されていきます。しかし、単行本化については、月刊誌ペースなので、次の単行本発売まで待ち遠しくなってしまう作品です。まだ読んでいない人は1巻から3巻まで読んでおきましょう。通しで読むと、衝撃度が大きいですよー。
情念、怨念、執念。<BR>その他人間たちの「念」がこの作品には集約されている。<BR>常に上を目指すもの。<BR>そのために為すべき事。<BR>それが師を欺き、死と紙一重であり、<BR>「ただ一人の勝者」となるためならば。<P>ただ裏切らないのは己のみ。<BR>己の魂と信念のみ。<P>そこに倒すべきものある限り。<P>この物語はまだ始まったばかりである。<BR>まだ終わらない。果てははるか遠い。<P>誠に惜しいのは、この2人の物語を文章にした南條先生が御高齢のため<BR>漫画のラストを見る事叶わずお亡くなりになったと言う事だろうか。
伊良子の野心が慢心を呼び<BR>藤木の執念と虎眼の怨念がここに成就する!?<P>あらゆる伏線がひとつにまとまってゆく第3巻!<P>男の欲望は狂気を越えてかくも美しくなる。<P>これを読んで第1巻からもう一度読んでみれば<BR>ある事がわかるだろう。<P>「成せば成る」<P>この言葉は<P>狂気の上でしか成し得ないのだという事を<P>時が止まったように読んでしまいました。