立ち読みして、なんじゃこりゃあとぶっ飛びましたよ。ことばの空中遊泳。ことばの迷宮。ことばの持つ無限大の可能性をこれでもかと模索しながら、ひとつの壮大な芸術作品となっております。<BR>私はフランス語ができないので原書を読む術はありませぬが、難しいことは考えずにこのことばのパラダイスを満喫させて頂きました。著者・訳者の創造力に圧倒されるばかり。大変だったんだろうなあ。<BR>値段はお高めなのですが、それを補って余りある装丁の凝りよう。おしゃれすぎ。やられた。衝動買いでした。
って、書く以上は、この値段に相応の悦楽をこの1冊から享受しえる、と断言できるかどうか。文体の訓練例とすれば見事なものだが、その中に、実用性のないものが多数含まれているのが現状。<BR>見事な意訳と、見事な組み版をした版元に敬意を表するばかり。<BR>この値段でも面白いといえる値打ちはあるけど、進んでは「面白いよ」とは言い切れないもどかしさ。<BR>「文学賞めった切り」の脚注から思い付いて購入したのだから仕方ないか・・・・
内容は完全に別の本で、オペラ風から歌、俳句まで訳すのもかなり労力が要ったと思う。飽きることなく頁を捲れた。装丁や紙に金を掛けるのは頷けるけど、一部とはいえ行毎に赤と黒で字の色を変えるのは納得できない。それがこの値段に直結してるとするならすこし不満が残る。文庫化を望む。<BR>良くも悪くも訳者凝りすぎ。