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感染症レジテントマニュアル ( 藤本 卓司 )

 日本の医療機関で感染症をまともに勉強するのは極めて困難です。大学病院は総論・一般論の大家ばかりで現実の医療に疎く、市中病院は忙しくて考えている暇がない。まして、日本は臓器別専門医療を高度化することで発展を遂げてきたので、本来ジェネラルであるべき感染症医療がニッチな領域となっています。「きれい好き」の血液内科医がICTのチーフをやっていたりすると、易感染性宿主という選択された集団で得られた想起バイアスに支配されたりします。<BR> 本書は、第一線の医療機関で地道にグラム染色にこだわる著者が、低コスト、効果が高くて、ブロードではない抗菌薬を如何に選択していくかを合理的かつ実際的に説明してくれています。青木先生の「レジデントのための感染症マニュアル」と本書のどちらか一方ではなく、「両方」手元に置いておきましょう。白衣のポケットに入るのがありがたい。

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