”競争環境における差別化”という戦略と、著者の提唱する競”争のない世界(ブルーオーシャン)を創造する戦略”との境界は、それほどはっきりしたものではないかもしれません。程度の差といえる部分もあります。しかし、本書で提唱されるような視点で分析し、今後の戦略を考えていくと、”楽しい気分”になれるのではないでしょうか。それが最大の効用でしょう。<BR> 数年前に、90年代に著者がハーバードビジネスレビューで発表した”バリュー・イノベーション”の概念に触れる機会がありました。”バリューカーブ”を使った分析・戦略立案のわかりやすさに感心し、もっと詳しく知りたいと考えていましたが、一般向けに書かれた書籍が見当たらず残念に思っていました。今回その後の研究・適用の成果も加え、また未来に向かって何をどう考えていけばいいのかという方策が「ブルーオーシャン」の一言に凝縮されて出版されたことを知り英語版を手に入れましたが、すぐに翻訳もでたため、それだけ世間の関心も高いのだろうと推察しています。
「既存の市場[レッド・オーシャン]で競争する時代は終わった。未開拓の市場[ブルー・オーシャン]を生み出す驚愕の新戦略を説き明かした書!!」と大袈裟な帯ですが、要は新たなビジネスモデルの構築の仕方を直感ではなく明確なフレームワークを用いて説明しようというものです。これまでの競争戦略を真っ向から否定はしていませんが、ちょっと見方を変えれば(それほど難しい話ではないです)こんな論理展開ができるんだなあと感心しました。<P>特に具体的な企業(日本企業もドコモやQBカットの名前が)が紹介されていて、なるほどなるほどとついつい頷いてしまいます。固定観念や思い込みを捨て去って考えないと、ブルー・オーシャンは開拓できないようです。<P>日頃の仕事にも生かせそうななかなかよいビジネス書でした。早速、仕事にパクろうっと。
各界の経営者たちが絶賛しているとおりの内容。具体例も豊富でわかりやすく、さまざまな戦略キャンバスも例示されていて、とても参考になった。<BR>あえて難をあげるとすると、和訳にもう少し工夫があれば良かったかな。