作曲が簡単に出来る、というような本はたくさん出ているが、そういうお手軽本ではなく、基礎からしっかりと学べるすばらしい本。<P> どんな分野でも実はそうなのだが、それまでの作品を解析したり技法をきちんと学ばない限り、まともなものは作れない。この本でもその考えが貫かれており、過去の楽譜を分析し、様式を説明することで、作曲を行うときに出会う問題全てに対して明確な指針が与えられている。そういう意味で楽曲分析の技法の本としても活用できる。<P> きちんと読んで学ぶためには、本の中の楽譜(曲の一部)だけでなく全曲の楽譜を検討するぐらいの必要があるかもしれないが、それだけの価値を示してくれる本。
この本はポップスやロックといった音楽の作曲法習得本ではなく<P>クラシカルな作曲法を学ぶ為の本です。内容的には多くの作曲家の作品が例としてとりあげられ、とりわけベートーベンのソナタを中心に学習していきます。そして作者自身ベートーベンの楽譜が簡単に手に入ると考え、それとともに学習するのを前提ににています。よってこの本だけで学習していても内容の全てを理解するのは難しいかもしれません。しかしながらこの本は基礎的作曲技法を習得するのにとても役に立つ本です。