『サウスパーク』『シンプソンズ』などなどのテレビアニメと同じく、<BR>モラルを忘れて読むのがゴーリーの楽しみかた。<BR>特に、この『不幸な子供』に関しては、それがとても顕著だといえる。<BR>普通に読めば「うわ、ひでえなあ。こんなもんいちいち書くなよ」<BR>と思ってしまう読者の方々も多いだろうが、モラルさえ忘れてしまえば、<P>これほど爆笑できる本も多くはない。<BR>ラスト数ページは、腹を抱えて笑いっぱなしである。<P>ゴーリーなりのサービス精神とユーモアといたずら心がたっぷり詰まった一冊。<BR>これは、棺の中にまで持って行きたい一冊だ。
この本は好きな人と嫌いな人がはっきり分かれる本だと思います。<BR>私自身は…あまり好きになれません。。<BR>でも好きではないけれど、気になってしまう本という感じです。<P>読み進めるごとに底なし沼の深みにはまっていくような不幸の連続。<BR>全く救いようのない結末まで、ただ淡々とドライに話は描かれています。<BR>気分が悪くなるような不幸の話なのに、恐ろしいほどの絵なのに、<BR>そのものにどこか芸術性を感じてしまうのは私だけでしょうか?<P>ゴーリーの独特な世界に浸りたい方にお薦めです。
これは不幸な子供の話だ。とくに救いはなく、かといって不幸のクライマックスもなく、不幸で始まり不幸で幕を閉じる。不幸をこれほど正確に書いた物語を私は初めて読んだように思う。たいていの文学作品は光を際だたせる陰として不幸を取り扱う。しかし、この作品はちがう。不幸というものに真正面から取り組んでいる。だから感動したり、かわいそうで涙がでたりするような不幸な話とはちょっと違う。私達はそこに不幸というものをしっかりと見てしまい、言葉を失う。