久々に衝撃を受けた。なんの救いもない結末に・・・柘植義春の「無能の人」のような線描の絵、登場人物の頬のこけ方・・薄ら笑い・それが絵本で表現されるなんて・・・かつてない衝撃、頭の中混乱しちゃいました。この本の味わいどころはそこだ。柘植義春が挿絵を書いた フランツ・カフカ・文の絵本・・・・ありえない、ありえないそんなの。そのタッグは斬新すぎる。ああーでもいいなあ、久々にはまっちゃいそうだなあ。まだまだいっぱいあるから、これからしばらく浸ろう。
あるカップルが引き起こす連続殺人というおぞましい行為と、<BR>その顛末について描かれた大人向けの絵本です。<P>翻訳文と英文が併記されているので原文を読む楽しみもあります。<BR>とにかく文章がすばらしくグイグイと読み進めさせられるのです。<BR>素晴らしいと思います。<BR>それなのに、なぜ ☆ ひとつ なのかというと、<BR>私が「 人に薦めたいと思うかどうか 」を基準に評価したためです。<P>とても衝撃的な内容で、好き嫌いがハッキリ分かれる本だと思います。<BR>絵柄も好みが分かれるところでしょう。<BR>原書が発売当時大変な物議をかもしたという事ですが、<BR>この内容ならそりゃそうだろうと納得します。<BR>日本で話題にもなっていないのが不思議です。<P>私はこの本が嫌いですが、<BR>人によってはとてつもない魅力を持った本になるでしょう。<P>二人が最初の殺人を犯した翌朝の朝食シーンが特に印象に残っています。<BR>このシーンで、<BR>いかにこの二人の心が乾ききっていて病的で救いようがないのかが良く分かります。<BR>心が寒々として身震いするくらい恐ろしく感じました。<BR>ものすごい表現力だと思います。<P>「 殺人 」をモチーフにした作品ですが、<BR>絵にしても文章にしても直接的に恐怖を煽り立てるような表現は一切ありません。<BR>控えめで淡々とした文章なのです。<BR>それがよりいっそう読み手の想像力をかきたてて恐怖を感じさせます。<BR>素晴らしいと思います。<P>こんな恐ろしい本、子供が読んだらトラウマになるかも?!と思ったけど、<BR>こういう間接的な恐怖の表現というのは多分子供は理解できないから、<BR>子供が読んでもさして怖いとは思わないかもしれませんね。<P>何が一番恐ろしくて衝撃的かというと、<BR>これが 実 話 をモチーフに描かれたお話だというところです。<BR>こんなおぞましい行為をした二人が実在したんだと思うと、<BR>やりきれない哀しみと怒りをおぼえます。<P>私がこの本を読み返すことは二度とありませんが、<BR>文章のひとつひとつは頭に焼き付いてきっと一生忘れないでしょう。<BR>そんな本です。
マジで!タイトル通り本気でおぞましいですよ、これは・・・。<BR>でも、でもね・・・・何かどこかで共感してしまうんです。<P>普通の目線で見れば、主人公の男女は頭のおかしい凶悪犯罪者で、ひどい罰を受けて獄中死して当然なのだけど、ちょっと目線を変えるだけでこの物語にはすごく深い意味が込められていることに気付いてしまう自分がいる・・・・というような、そんな作品です。<P>数あるゴーリー作品の中で、次に翻訳されるのは何だろうと思っていたらまさかコレが来るとは・・・面白いチョイスだと思います。「題のない本」につづき、私のなかではかなりの問題作ですね。<P>結構ページ数が多いので、読みごたえはバッチリってことで星4つ★