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| 東京 消えた街角
(
加藤 嶺夫
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小学生から結婚まで目黒区に住んでいた私には、記憶の底から浮かび上がってくるような写真が何枚かありました。バス停に行く途中のあの坂、父親と散歩したこの交差点、いつしか写真は涙でにじみ、ランドセルを背負った自分が見えたように思えました。 この写真には、昭和の人々の営む街から、当時の生活の匂いが嗅ぎ取れるような貴重なページが続いている。<BR>少なくとも東京の1960年代に生まれてきた者ならば、当時一度は出くわせた街の空気の断片が、この数々の中の一場面に必ず見つかるはず。<BR>当時の自分を体験できる一冊ではないか。
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