日本シリーズのような大舞台で、打席がまわってきた捕手が凡打をすると<BR>「投手のリードで、バッティングのことを考えるどころではないので<BR>仕方ないでしょう」というテレビ解説者のコメントを聞くことも<BR>あるかと思います。<P>そんなコメントに、それとこれは話が別だろうと、腑に落ちない人も<BR>多いかと思いますが、本書を読むと、プロで投手のリードを<BR>するということが、いかに厳しく消耗する仕事であるかが分かり、<BR>自らのバッティングに気が回らなくなるのもやむなしと思うように<BR>なるのではないでしょうか。<P>逆に言うと、バッティングの良い捕手がいかに偉大かが<BR>分かるようになってきます。<P>全体的に、野球好きにはたまらない内容ですが、森氏の章だけは、<BR>捕手の特性云々とは関係なく、単純に人間性の問題と思えるような<BR>話題が多く、全体の中で浮いているように感じたのが、若干残念でした。
投手の女房役、チームの要。チームにとって大事なはずの捕手というポジションを、おそらく初めて解説した一冊。<BR>捕手というポジションの難しさ、奥の深さを十分に感じることができ、野球中継を見るのが楽しみになります。特にキャッチングのうまさなんて、今まで考えてませんでした。<P>投球の組み立てについての記述は確かに物足りませんが、まあそれは川口和久氏の著書に譲るとしましょう。またこの本の中で書かれている達川捕手と川口投手の関係については、川口氏の本に川口サイドからの視点で書かれており、合わせて読むと面白いです。<BR>ただエディターレビューに書いている達川氏の行動の理由、これは本書を読み終えた今もよくわかりません。
近年の野球において捕手の重要性が高まっていることは、衆目の一致するところであろう。本書は、捕手の側から野球を分析した、野球マニアにはたまらない一冊である。<BR>有名な「江夏の21球」を捕手の視点から解析する章は、特におもしろかった。<P>しかしながら、捕手の配球については、投手・打者・試合の流れなどの、どこをみて配球を決定するのか、もう少し踏み込んだ内容を読みたかった。