~ベネチア・ビエンナーレで東洋人初の優秀賞をとったり、<BR>大徳寺のふすま絵を描いたりという すごい人なんですが<BR>文は堅っ苦しいこともなく、ふつうの目線で語られていて、<BR>リズムもよく読みやすいところに うれしい意外性がありました<BR>彼は日本画をずっと学んできたらしいのですが、<BR>美術に対する姿勢が日本画という枠におしこめられているということ~~もなく、<BR>技術をもちながらも普遍的な視野でものごとを見られるという点で、彼の業績もついてきたんでしょう。<BR>何を描かないか 何を伝えるか 何を描くか 何で描くか 何に描くか<BR>という5つのテーマで、それぞれ経験をふまえた豊かな話が参考になります。<BR>また、NHKで放送された番組の内容をまとめた2巻目もあります。<BR>美術史的な話で、こっちもおもしろ~~かったです。~
簡単な言葉でストレートに語られる「誰にでも伝わるほどの魅力を持ったものを創造する秘訣」が強く心に響いた。シンプルな表現でありながらも深いその内容に引き込まれ、あっという間に読み終えてしまった。<P> 本書は日本画家の筆者が画家を目指す人に対して絵を描くということはどういうことなのかを説明している本である。画家志望ではなく、それどころか絵を描くつもりすらない私が本書に惹かれたのは、筆者が明かす創造の秘訣が広く仕事全般にも当てはまることだったからである。少し大袈裟かも知れないが、仕事も絵画も、「創造する」という観点から捉えれば本質的な部分に変わりはないのだろう(もちろん仕事の種類によるが)。<P> たとえ自分の仕事に創造性など必要ないと考えている人でも、本書を読むことで創造性を発揮すべき部分を発見することができるかもしれない。<P> 「創造すべきもの」の発見と「創造の秘訣」を習得することを可能とする本書を、多くの人に推薦したい。
まるで講義を受けているかのように、絵の世界がわかりやすく伝わってきます。絵の道を志す人だけでなく、一般の読者にとっても「人生論」という観点から学ぶところが多いはずです。著者の言うことは正論過ぎるように感じられるかもしれませんが、自己を高めようとして生きてきたこれまでの人生がうかがわれて説得力があります。以前のテレビ番組で著者を見たときに力のある目が印象に残ったのですが、それにはこういう生き方の裏づけがあったのですね。