女性、津田塾大教授。確信犯か。真意は読み取れなかったが、過激。過激と思う私がおかしいのか?<P>著者の論旨はかなり明確で、エネルギッシュに、オニババになるな、女の幸せはカラダよ、オトコとセックスすることよ、と繰り返される。<BR>つまり、大した才能のない女子は、若さを売りにして男性を捕まえて十代後半から二十歳くらいで、とっとと子供を産みなさい。働いても大して社会の役には立てないのだし、結婚を逃したら後が悲惨。結婚したらセックスを楽しみなさい。女性は身体性が大きいから、精神性以上に重視しなさい。結局、一部のデキル女性以外は、難しいことを考えるより、そうすることが幸せなのよ、とアドバイス。大意はそんな感じである。<P>著者の現代女性に送るメッセージの評価は男性の私にはよく分からない。古めかしい、近所のオバチャン的言説にも聞こえてしまうのだが、女性の身体性についての考察は情報として面白い。
女性の出産に関しての部分は、知識として知っておいて良かったことが多い。<P>多くの女性に賛否両論なのは、著者の「ではどうしたら良いのか」という部分だろう。「誰でもいいから結婚して出産しなさい」では乱暴すぎる。反発する人が出て当然だ。<BR>その反面、著者が強調する「女性の身体感覚に基づいた伝承の知恵」は内容が薄かった気がする。もっと知りたかった。<P>著者が大学教授のせいだろうか。「こうしなさい」と提案する姿勢が強すぎる。<BR>今の時代、妊娠・出産に関する女性の知識が以外に貧困なのは、私も常々不安に思っていたことだ。<BR>良い大学を出て、立派に仕事をしている女性でも「流産ってトイレで流せばいいんでしょう」とか「高齢出産が40才からだから、30代でも20代と同じに妊娠できて生める」等、驚くほど自分の身体を知らない人が多い。<P>教授には女性に正しい身体知識と歴史の知恵を伝授することに専念してほしい。多くの女性は古今の知恵さえ教えてもらえば、どうするかは自分で決められるのだ。<BR>知の伝道が教育者の役割ではないだろうか。
女性の、知られざる身体の一面を知れたという意味では、面白かったと思います。<BR>女性が月経をコントロール出来ていたという記述は非常に興味深い。<P>ただ、とにかく出産という経験によって女性は身体性を取り戻す…<BR>という部分では、果たしてどれだけの若い世代にこれが受け入れられるか…<BR>と思いました。<BR>自分自身が20代で女性。<BR>それに、不妊女性という、マイノリティ層の立場に立った研究をしているためか、<BR>彼女たちのことを視野に入れて読むと複雑です。<BR>出産ということにこだわると、結局はそれは昔からの母性主義に陥って、<BR>血縁への拘りが強くなるんじゃないかとも思う。<BR>自分はむしろ、子育て、育児などの長いスタンス通して人は自分を見つめ直していくような気がする。<BR>そしてそれは、母性や父性などと男女に分ける考え方ではなく、<BR>両者共に、育児を通して成長できる要素を持ち合わせていると考える。<P>どちらにしろ、出産のためだけに女性の体があるわけではない。