それぞれの人物像を歴史的、又その生い立ちや人間形成にまつわる価値観などをわかりやすくまとめてあります。<P>エンサイクロペディアと多いに異なる点は、主要登場人物にその解説が絞られており、小説やOVAを読んだり観たりした人なら誰でもわかる楽しめる内容になっています。<P>又何となく読み飛ばしていた、観ていて気付かなかったという部分にも気付かせてくれる辺りが嬉しい一冊ですね。<P>とかくそれぞれの人物像についての解釈は制作者サイドの主観もあるだろうが、認識度については遥かにそれを凌駕しているわけで、その説明には何の不満もありませんでした。<P>主役や脇役、そして歴史からみた銀英伝の世界を満喫できる一冊に間違いありません。ファンであれば読みやすいですし、買って絶対に損はありません。言い切れます。
この本の初版は1999年8月に出されましたが、以前から銀英伝に関するこのような解説本が出て欲しいと思っていましたのでこの本が世に出されたときは正直喜びました。<P> さてこの本の内容ですが、登場する個々のキャラクターの分析および歴史的な面から見た銀英伝世界の事件や戦役の解説など「研究序説」の名に恥じない本に仕上がっています。私自身大学で歴史を専攻しているだけに、とりわけ銀英伝世界の歴史的分析は頷けるところがいくつもありました。銀英伝自体専制国家と民主国家の戦いでどちらの側にも正義がある戦いをテーマにしているだけに歴史には様々な観点で見る必要がある事が実感できます。<BR> 銀英伝に原作から入った人でもあるいはOVAから入った人でも十分に読み応えがある本で。歴史についてもっと知ってみたい方は一読して欲しいと思います。
前半の「キャラクター総括編」もさることながら、後半の「歴史ネタ徹底解析編」が非常に楽しめた。銀英伝の内容に類似した歴史上の出来事をわかりやすく解説しており、歴史に興味がある人の入門書としてもおすすめできる。あとがきでは続編も企画中とのことで今から楽しみにしている。<P>ひとつだけ惜しむらくは、「キャラクター総括編」が著者の主観を抑えて書かれているのに対し、「歴史ネタ徹底解析編」では(特に欄外注記に)かなり主観的な評価が入ってしまっているところである。私個人としてはうなずけるところも多々あったが、やはり事実だけを提示して(それが事実かという判断も含め)読者に評価を委ねるのが正しい姿勢だろう。