2004年秋の試験を受けてみて「検定問題はこの問題集をかなり意識して作成されているのではないか」と感じました。似ているけど微妙に変えてある問題が多く出題されていたように思います。文法問題はこの問題集をしっかりやっておけばパーフェクトに近い点がとれると思います。リスンングは実際はもう少し難しい問題もいくつかありましたが、この問題集のCDを繰り返し聞いてやさしい問題を確実にとれば合格ラインは狙えるでしょう。ただこの問題集では出題形式がわからないので過去問を併用したほうがいいと思います。
イタリア語検定対策としてよりも、イタリア語の基本文法をひととおりマスターすることを目的として、そしてその延長線上にイタリア語検定を受検してみるという方策がいいと思います。ヨーロッパとは違い、日本語からなるイタリア語の問題集は、まだまた稀少ですから。<BR> 十三章あるうち、「現在形」、「近過去」、「未来と前未来」、「半過去と大過去」、の五章が時制に費やされています。イタリア語対策はこうでなくてはならないと思います。もちろん、それを理解したあとは、各個人が徹底して、辞書の付録などを参考に時制の練習をする必要があるでしょうが・・・。<BR> 1)原則を枠にまとめておいて、2)その原則の例を必要にして十分になだけ示し、3)過去の検定問題を練習問題として、という1)2)3)の構成でほとんどの章が書かれています。まとめ方にしても説明にしても本当に活用しやすい本です。
他にイタリア語検定対策本が出ていないので比較のしようがないのですが、例えば、他の外国語検定(独・仏・中)の対策本と比べても、この本はかなり良くできていると思います。基本的な文法を一通り勉強された方なら、後はこの本一冊で十分だと思います。文法項目もかなり詳しく説明してあり、基本的なことを確認するにも、新しいことを覚えるにも、適しています。<BR>ただ、イタリア語検定は今のところ問題形式が定着しておらず、必ずしもここに載っているような形の問題が出るとは限らないので、その辺は覚悟が必要ですが、内容としてはこの本はかなり信頼できると思います。